第62回電池討論会実行委員長
慶應義塾大学理工学部
片山 靖
第62回電池討論会実行委員長
慶應義塾大学理工学部
片山 靖
電池討論会は一次電池,二次電池,燃料電池,キャパシタなどの蓄電技術に関する最大級の学術集会であり,第1回の討論会は1960年に東京で開催されました。本討論会は電気化学会電池技術委員会の主催で毎年500件以上の研究発表と2,500名の参加者を集めて開催されてきました。第62回討論会は2021年11月30日から12月2日の3日間にわたってパシフィコ横浜にて開催されます。
脱炭素社会の実現のために蓄電技術はますます重要となっています。特に長寿命で,低価格,安全な電池は再生可能エネルギーの高効率な利用のための電力貯蔵に必要とされています。また,高性能でエネルギー密度の高い電池は世界の各所で普及が進む電動車両に必要とされています。これらはいずれも本討論会の主要なトピックであるといえます。
2019年以降,新型コロナウイルス感染症の世界的流行によって世界中で社会生活が大きく制限されてきました。多くの学術集会は中止されたりオンライン形式への移行を迫られました。このため,2020年の第61回討論会は例年に比べて発表件数や参加者数は減ったもののオンラインで開催されました。開催時期の状況を予測することは困難ですが,第62回討論会は現時点では対面で実施することを計画しています。対面形式とするか対面とオンラインのハイブリッド形式とするかの最終的な決定は8月末までに行う予定です。ワクチン接種の進捗によって状況が改善されることを期待します。
第62回の討論会は横浜で開催される4回目の討論会となります。実行委員会では新型コロナウイルス感染症への対策をとった上で皆様をお迎えする準備を進めております。感染防止のため懇親会などは予定しておりませんが,本討論会が最新の学術や技術の討論および情報交換の実りある機会となることを期待します。